ニート・ひきこもりへの対応―だれにでも起きる!?
昨今のニート・ひきこもり本は本当に首を傾げたくなる内容のものが多いが本書は違う。
ニート・ひきこもりの原因を社会の変化位置づけ、明確に分析がされている。
社会の変化、高度経済成長・バブルを経た成熟社会がニートを生んだこと。
そして、子どもは消費者として社会の中でさんざん持ち上げられているから、生産者(労働者)になることに強い抵抗を感じる。
この書籍の新しい視点として、オタク(ヲタク)型ニート・ひきこもりを提示している。
そして、このオタク(ヲタク)型のニート・ひきこもりが近年急増していると述べている。
オタク(ヲタク)型のニート・ひきこもりについて、若干長くなるが引用したい。
自分を守るために詭弁であるが理論武装していく、関わろうとする人を寄せつけないようにして、自分の中の不安を煽り立てないようにしていく。そしてますます学校や社会への適応を困難にさせていく。最初は人間関係の消極さから始まるが、本来、今までも人間関係の煩わしさや生き難さを薄々感じ取っていた人が、自分の趣味や好きなことだけをやっていればよいという環境が許されたのだと錯覚した時から起こる。
(中略)
意識的にも今の学校や社会に対して魅力を感じないばかりか、どこか本質的に間違っていると思っている。だから、間違った価値観の学校や社会に参加することは誤っていると考え、自分が生きていくための消極的な(消費者として)最小限の関わりにしたいと思っているようである。
(p100-101)
非常に的確・かつ明確な分析である。
オタク(ヲタク)型ニート・ひきこもりであると同時に、現代の若者論としても頷ける。
ニートの心の奥底には、「(こうなってしまったのは)自分以外の誰かが悪い」という意識がある。
それは親であったり、教師であったり、学校や社会であったりとさまざまだが、とにかく自分は悪くないと思いたい。
本書の素晴らしい部分は、実際にニート・ひきこもりが立ち直っていく具体的な事例が2例挙げられている。
詳細について、興味があれば、是非この本を読んでもらいたい。
子どもをニート・ひきこもりにするのも家庭であり、同時に立ち直る手助けをするのも家庭だけである。
どんなにNPOをはじめてしたニート支援が体系化され、仮に多くのニート対策に莫大なお金が注ぎ込まれても、家庭の、ひとりひとりの親の認識から変えなければ何の意味もない。
教育出版らしく(?)、ただのニート説教に終わらない、まさしく「ニート・ひきこもりへの対応」について書かれている。
この本は本当にオススメできる1冊です。
コメント
はじめまして。
引用部の”自分を守るために詭弁であるが理論武装していく”というところが、ニートである自分には図星です。
私の場合、論理学まで勉強して理論武装して自分を守ろうとしたりしてます。まさにご指摘の通り、という感じです。
似たようなニート、ひきこもり本が多い中、非常に良さそうな本ですね。私も読んでみようと思います。特に、立ち直りの具体例を読みたいです。
ニート、ひきこもり本は数はありますが、本当に「良書!」と思えるものには思い出せる中では出会えてませんので、これが良い出会いとなるといいのですが…。
投稿者: 山田 | 2005年09月08日 21:05
コメントありがとうございます。
引用部に関しては、僕自身も図星である部分が多々あります。
立ち直りの具体例は、ひきこもりの人が家族とどう折り合いをつけるかという部分が細かく書かれていて、興味深い内容でした。
一読をオススメします。
もし読まれましたら、感想などをコメントいただければと思いますので、よろしくお願いします。
投稿者: teddy | 2005年09月09日 01:45