叱らない教師、逃げる生徒―この先にニートが待っている
著者の喜入克氏は現場の高校教師であり、その実践の中からさまざまな思想を見生み出すことを目的に活動している、とのこと。
本書はいわゆるニート本ではない。
教育論であり、教育をしっかりしないとニートになってしまう訴えを書いているニート便乗本と言えるかもしれない。
(サブタイトルの、「ニート」の文字がなければ、少なくとも僕は買わなかった)
いわゆる「新しい学力観」「ゆとり教育」が、フリーター・ニートを生んだ、というのが著者のニート観。
90年代から、学校・教師・生徒がどう変わったか?
著者が教師なので、仕方ない部分もあると思うが、学校という狭い社会の変化を書くだけで、もっと大きな社会的な背景が欠如している。
学校の位置づけが相対的に低下し、社会的な底上げがなくなった教師が、「昔はよかった」的なノスタルジーに浸っているような文章として読めてしまう。
学校が復権し、叱る教師、逃げない生徒が現れれば、ニートはいなくなるのか?
現在のシステムの中で、学校が復権することはありえないし、仮にそうなったとしても、ニートはいなくならない。
というよりも、繰り返し述べているが、ニートにしない方法ではなく、仮にニートになったとしても、そこから立ち直る方法、セーフティー・ネットについて、現場の教師に語って欲しいのだが・・・