書名からわかるように、子供を持つ親向けに書かれた本です。
おそらくテレビなどで、「ニート」っていうことばを耳にして、ちょっと不安に思っている母親をターゲットにしてます。
結論からいうと、この本のニート認識はズレがあると思わずにはいられません。
ニートが生まれた原因について、次のように分析してます。(P26)
日本が豊かになり、欲しいものが何でも手に入るようになった。
何でも手に入って、本当に欲しいものがなくなると、人間は寂しくなる。
寂しくなると携帯電話を使って友達と繋がっていないと、不安で仕方がない。
だからニートが生まれる。
正直、ちょっとここで首をかしげずにはいられません。
豊かになって、寂しくて、不安で仕方ないからニートになる???
そんなこと言ったら、世の中のすべての人がニートになるのでは???
そして、子どもがニートにならない手段として以下の7つをあげています。
1.家族の健康
2.心の健康
3.体の健康
4.社会の健康
5.教育の健康
6.お金の健康
7.メディアの健康
詳細については、興味があれば、是非お読み下さい。
本当に当たり前のことを当たり前に言ってるだけです。
いわゆる子育て論を、「失敗したら、ニートになるよ」って意味なく脅してます(笑)
そして、第5章(part 5)「早くからなりたい職業がはっきりするほど成功している事例」として、短大の教授にまでなった元看護士の方とバレリーナの草刈民代さんのインタビューを掲載してます。
・・・本気でそう思ってるんですか?
確かになりたい職業がはっきりしていれば、その目標が達成できればニートになる不安はありません。
ただ問題は、夢が叶わなかったときにどうするかってことです。
看護士はまだしも、誰もが草刈民代さんのようなバレリーナになれるわけではありません。
仮にバレリーナを目指したとしても、夢叶わずあきらめなければならない時期がやってきます。
成功者なんて、ほんの一握りなんですから。
だから、その成功者のインタビューではなく、夢が叶わなくてもしっかりと別の目標を見つけて、がんばっている人のインタビューを載せるべきなのでは?と疑問を感じてしまいます。
突っ込みどころ満載のニート本なのですが、一番びっくりしたのは次の描写です。
「フリーターよりも怖いニート」ということで、ニートを寄生虫に例えています。
寄生虫にもご存知の通り2種類あります。 ノミやダニは体についても叩けばつぶせますし、駆除できます。 しかし、体内に入ったサナダ虫などは見ることができなくて内面から蝕んでいきます。 (中略) それが家の中で起こると家族全体が蝕まれていって、社会的な犯罪につながっていくの がニートの怖 さなのです。(P15)
ニートは家族の内部に入り込んだサナダ虫なんですって。
そして、それは社会的な犯罪を引き起こすんですって。
じゃあ、寄生虫は駆除すべきなんでしょうか???
と、突っ込みどころは満載です(笑)
著者はニート問題の専門家なのかもしれませんが、もう少し書きようがあるのでは?と思わずにはいれません。
ニート=寄生虫 という認識がニート問題をより深刻な問題にしているのではないかと思うのです。
教育の現場に関わっている人々であるならば、「自分の子供をニートにさせない方法」ではなく、自分の子供をニートなったときにどうするか?」という方法を提示して欲しいと思います。
予防法ではなく、対処法を。
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